第六式:出爪亮翅勢
「秋には肺を養う」を実践できる動作です。
動作を行う時には、胸と背中を意識して下さい。
先ず、背中は挟脊(肩甲骨で背骨を挟むような感じ)となるように~そうすると宣胸(肺)にもなります⇒肺経の雲門と中府のマッサージ。
(補足)
「宣発」とは宣布と発散、「広く行き渡らせる」とか「発散させる」という意味で、
身体中に肺気がスムーズに散らばり、通じることです。宣発の生理作用は3つあります。
①肺の気化によって体内の濁気を排出すること。
②脾によって運ばれた津液や水穀の精微を全身に散布して皮毛まで運ぶこと。
③衛気を宣発する作用により理=毛穴の開閉を調節し、代謝産物である津液を汗として体外に排出。
※動作要求などは、一般のテキストにも書かれているので、、、中医的な事柄を。。。
肺は、私たちの体の中でも大切な器官です⇒「肺主一身之気」、「肺主粛降之気」
(補足)
粛降の生理作用は次の3つです。
①自然界の清気を吸入する。
②肺が呼吸した清気と脾が運んできた津液や水穀の精微を下(腎)に向けて散布すること。
③肺や呼吸道の異物を吐き出して、呼吸器を清潔にすること。
肺の粛降之気が不足すると、腎経に問題が生じます。
中国人は、補腎が好きです⇒どんな食べ物を摂れば補腎となるかなど。
腎を元気にする⇒中医では、「金生水」という表現をします。
肺は金に属していて、腎は水に属している⇒五行に当てはめると、腎水の母親は肺金。
肺が元気だと、腎も活発になる。
いつも咳込んでいる人は、腎経も弱っている⇒肺気強弱=腎経不足。
補腎するには、先に補肺を行う。
出爪亮翅勢は、肺を開き養う動作です。
手を前に推し出す⇒陽経を開く方法となります⇒戻す時には陰掌に変わります⇒戻したら、陽掌に。
肺の呼吸と合わせて~開合開合。。。
午前三時になると目が覚めて、眠れなくなってしまう人がいます。
これは肺機能に問題が生じているからです。
夜中の三時~五時は、肺が主宰となる時間帯。
中医的解釈⇒本来なら、熟睡していられるはずの時間帯に目覚める⇒主宰となる器官に問題が生じている⇒この時間帯、本来なら肺は集中して働いている⇒目覚めてしまうと、作業の邪魔になる⇒この時間帯によく眠る=肺は正常に働ける⇒徹夜などでこの時間帯に仕事をしている人たちは、身体的虚弱を感じるようになります。
(補足)
身体と時間帯⇒内臓には、集中的に働く高期と休憩して回復する低期のリズムがあります。
毎日二時間、それぞれの内臓器官は集中して働き、その後二時間は休息して回復という感じです。
午前3時~5時…肺
午前5時~7時…大腸
午前7時~9時…胃
午前9時~11時…脾(膵臓)
午前11時~午後1時…心
午後1時~午後3時…小腸
午後3時~午後5時…膀胱
午後5時~午後7時…腎
午後7時~午後9時…心包
午後9時~午後11時…三焦(リンパ系)
午後11時~午前1時…胆
では疾病の最高発生頻度は…
午前0時~4時…胃潰瘍・がん細胞増殖
午前4時~6時…気管支喘息
午前6時~8時…異型狭心症・アレルギー性鼻炎・突然死・片頭痛・慢性関節リウマチ
午前8時~10時…脳梗塞・心筋梗塞
午後12時~午後2時…精神活動の最大
午後4時~午後6時…胃潰瘍の穿孔・握力最大・心筋梗塞
午後8時~午後10時…皮膚過敏・脳出血
午後10時~午前0時…手術後死亡
また体の組織・機能の1日変動の最大値では…
午前0時~午前4時…細胞分裂・コレステロール・成長ホルモンなど
午前6時~午前10時…テストステロン・血小板凝固など
午前10時~午後2時…赤血球など
午後2時~午後6時…心拍数・交感神経緊張・尿量・アドレナリン・体温など
午後6時~午後10時 …胃酸分泌量など
午後10時~午前0時…リンパ球・白血球・ヒスタミンなどという感じになっているそうです。