北京で太極拳

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五禽戯(鳥戯)。。。中医による解説



この鳥は、どんな鳥なのか?
きっと、仙鶴でしょう。
仙鶴は長寿の象徴。昔の人たちは、拝寿の時には松鶴の絵を贈りました。
松も又、長寿の象徴です。松の下には必ず一羽の仙鶴がいます。

中国文化の中、何故、鶴が長寿の象徴となったのでしょう?
鶴⇒静の中に動がある動物⇒首が長い⇒寝る時には首を臀部に隠します⇒この様子を見て、昔の人たちは、「通任督二脈の象徴=周天の姿勢」と捉えました。

今一つの特徴は、膝を上げて片足で立っています。
五戯鳥の中でこの片足立ちの動作は、人体のバランス性を鍛えます。

人の歳と身体調整能力の関係は?
歳をとるに従い、人は身体調整能力が衰えてきます。階段を上る時など自分でも如実に分かります⇒身体のあちこちに問題が生じてきます。

≪鳥伸≫
核となる動作は、任督二脈を引き上げます。
まず、体をこんな風に引き伸ばしていきます。この過程で、尾閭は引き上げられます。
それから、背中全体が反った形になります⇒督脈の鍛錬。
同時に前面~体を反る⇒≪鹿奔≫を思い出してください⇒脊椎全体が外に丸く張り出される⇒任脈は内側に縮みます⇒この鳥伸は、鹿奔と逆の動作になります⇒督脈の方が内側に縮んでいます⇒任脈は前に張り出されます⇒鹿奔、鶴伸、動作は異なりますが、どちらも任督脈を鍛えています。

この動作を行う時には肩を上げて、首をすくめるようにしています。
こんな動作を滅多にする機会はありません⇒肩を放松させます⇒両腕を上に伸ばす~開と合⇒肺気の開合。

動作を行う上で大切なのは、必ず百会を上げておくこと⇒任督脈が湾曲していたとしても、百会と会陰は連なっていなければなりません。

上に伸びてから下に沈み~それから手指の形が変化します⇒≪鳥翅≫⇒肺経と大腸経、心経、小腸経、心包経と三焦経が刺激されます。

鳥が後ろに翅を広げるときには、片方の足を後ろに挙げます⇒バランス感覚を養います。仙鶴の片足立ちと似た動き⇒人体の運動協調性を養います⇒とても伸びやかで美しい動作です。


≪鳥飛≫
この動作は、とても優美です。
上に向かう動作⇒腿を上げてから下に沈み、再び上がって~また下に。
大きな鳥が翼が広げているようです。

この動作は肺の通りを良くします。
二つある肺⇒西洋人が天使を描く時、背中に翅をつけます⇒中国人は、この二つの翅を上下に動かすことによって経絡の通りを良くしています。

腕を上下にする運動は、どのようにして肺に効果を出すのでしょうか?
先に、肺について学びましょう。理由を知ることによって、より正確に動く意味を認識することとなります⇒「肺主一身之気」⇒私たちが苛立ったりした時~現在の人々はストレスが多い生活を送っています。その影響は肺に及びます。

例えば、頭部の気機(気血の流れ)が影響を受けた場合、禿が表れます。体に影響した場合、神経性皮膚炎が生じます。これら皮膚系統の病は肺に関わっています⇒「肺主皮毛」

興味のある現象を紹介します。
肘関節や手の関節は、肺気と相関しています。
「肺主皮毛」⇒鳥飛の中では、開合の動作があります⇒開と合は、実際的に皮と毛の表現です。

皮⇒私たちの体を包み収めています⇒合。
毛⇒人体の毛穴⇒外に向かって発散⇒開。
このように、開合と肺主皮毛を関連づけることが可能です⇒いつも、腕を開合させていると肺の鍛錬となります。

肺を鍛える鳥伸と鳥飛の動作は、毎日続けてください。
肺には特別な現象があります⇒私たちが母体にいた胎児の頃に、各臓器は仕事を始めますが、肺は全てを労働に投入していません。胎児は靭帯を通して呼吸をしています。母体から出て初めて、即、呼吸方式が肺呼吸に変わるのです⇒生まれて直ぐの子供の第一声は、鳴き声⇒「哭」によって肺葉を開くことができる。

肺は、甘えんぼうの臓器と呼ばれています。
生まれてから働き始める⇒赤ん坊が涙を流さずに、声を上げ(泣く)たといって、すぐに抱き上げない⇒哭く=肺の鍛錬。

肺を鍛えるのに適したものは。。。
水泳やジョギングは、どちらかというと全身運動。
健身気功の鳥戯、八段錦の左右開弓似射彫の動作は、まさに肺を鍛錬する方法です。色々な肺を鍛える動作の中で、一番優美なのは鳥伸と鳥飛です。


最後に五禽戯をまとめましょう。
この気功は健身気功の中でも古くから存在する動きです。動物の形や動きを真似て作られたコンビネーションは、練習者たちの気持ちを楽しくさせてます。

練習に際しては、套路を通しても良いし~個別に練習しても大丈夫です⇒ご飯を食べた後には「熊戯」、肺が虚弱な時や季節が移り替わる時には「鳥戯」~体の調子が悪い時、どの動作が適しているのかを考えて、その動きを行う~という方法もあります。

西洋と中国では身体鍛錬の方法が異なります。
華佗は、体に相応しい鍛錬の程度を、「全身に汗が染み出てくるくらい=流れるほどまで鍛えない」と言っていた⇒西洋では、運動に際しては大汗を流します。

大汗を流す⇒中医から説明すると~≪汗為心液≫⇒汗は心液の外散⇒高齢者が大汗をかくと、心液を損なう⇒サウナなどには、心臓疾患のある人の利用には注意を促しています⇒大汗をかく弊害。

練習を積み重ねるうちに、全身が温かくほぐれてくるような感覚が出てきます⇒末梢まで気血が巡るようになる⇒手指、腹、足など全てに⇒最近の女子たちによくある手指が冷たいという問題も解消できます。
by takeichi-3 | 2012-08-30 23:54 | 気功:五禽戯・八段錦他 | Comments(0)