八段錦の第三式。。。≪調理脾胃須単挙≫
動作自体は簡単ですが、劲道を正しくするのは大変です。
片方の手を上に挙げる⇒撑天(陰)、下の手は陽手⇒地を按(推す)⇒左右を繰り返すことで陰陽交換している。撑天按手=天を支え、地を推す。どちらの手も力は掌根に⇒指に力は入らない。
脾胃の説明:「気の生産工場」ともいえる臓腑で、飲食物から吸収した栄養分を気に変えて、体中に巡らせている。脾胃の機能が低下すると気を十分に生産できず、また余分な水が体内に停滞してしまう⇒中焦(両股骨軸)
脾胃の病を治すには、両体側(胸の脇)を引き延ばす。
両体側⇒肝胆系経⇒肝胆と脾胃の関係は、五行相生相克では≪木克土=肝肝が悪いと脾胃にも悪影響を及ぼす≫
悩みがあったり、腹を立てたりすると胃潰瘍や胃炎を引き起こし欠血となる⇒胃血不足となる⇒滞りが生じる。
脾胃を開きたい(直したい)時、中医では直接的に脾胃を治療せずに、先ず肝の気を通す⇒肝に病がある時は両腋に滞りが生じている⇒調理脾胃須単挙で大切なのは両体側(胸の脇)から腋を伸ばすこと。⇒“木克土”肝臓は脾胃に病を招く。
精神的なストレスが肝気を弱める⇒肝気に欝滞があると胃に影響⇒「気滞=ガスが溜ったり膨満感が生じる=胃気の下降⇒調理脾胃須単挙に上昇と下降の動作が取り込まれているのは、これを解消するため⇒最後定式では左右の掌根に力を入れ停止がある(連環の中の定)。
動作に慣れてくると、中焦の意識が強くなってくる。
脾胃の病は抜け毛にも影響している。
頭頂には肝経が通っている。前方は胃経。悩み事があると前面の頭髪が薄くなる原因になる⇒思則気結=過度な思慮は気の鬱結を生む⇒思は脾が貯蔵する精気の運動変化で生まれるものなので過度な思慮は脾を損傷するというのが漢方の考え。
脾の衰えに原因があるという現代病ニューロン病(筋肉の病)などに言及していますが、、、省略。
脾の重要性などを改めて。。。
脾は生血・統血を主る:
生血を司るとは、脾が血を生じる機能を持っていることを指します。
統血とは脾が血液をコントロールし、経脉(血管)の中に流れ、漏れないようにする機能を持っていることを指します。
脾は昇清を主る:
昇は上昇、配布の意味で、清は精微物質のことです。
脾は水穀精微などの栄養物質を吸収し気血に変え~肺に送り~心肺の働きにより全身に送り出す。
この運化機能の特徴は上昇であるため、「脾気主昇」といいます。
また上昇したのは精微物質なので⇒脾は昇清を司る。
脾と肢体官竅の関係:
脾は筋肉、四肢を主る:脾の水穀精微を運化する機能による。
唇は脾の華である:唇は脾の余り。唇の筋肉は脾に主られます。
脾は口に開竅する:口には唇、舌、歯、顎が含まれ、消化道の最上端です。
脾は口に開竅するというのは、飲食・味覚などは脾の運化する機能に関係があり、脾気は健康であれば、食欲があり味覚は正常。
脾と五志五液の関係:
思は脾の志:思とは思慮、思考の意味で、人間の精神意識活動の一種です。思は脾の志であるが、心主神明とも関係があります。なので、「思は脾から発し、心に成る」といわれます
涎は脾の液:
涎とは唾液の中のうすいもので、口腔を保護、清潔にする機能があります。また食事の時たくさん分泌して、食べ物を消化しやすいように溶解する機能もあります。正常なら、口一杯になっても溢れることはないです。