今日、フィットネスで顔見知りになった会員さんに、柔で動くことの健康効果を話していた時、「エアロビ、筋肉に力を入れないようにして動いてって言うインストラクターがいる」と聞き~中国養生系を学んだことがあるのかしら~と思ってしまいました。
★筋肉の緊張(強張り)は気血の通りを阻害するので、養生運動では「柔」が必須。
「拳術による中医学導引⇒吐納理論と気による運用」
中医学の導引は、中国古代医学家が発明した一種の養生術。主要となるのは呼吸と合わせた手足の屈伸運動を行うことによって、流通を良くした血液(精気)を身体各部へと運び健康を促進させるのを目的としています。
太極拳における導引⇒意識と運動(型)の結合によって心臓がよりよく活動するようになると、気血の通りもスムーズになる⇒気血が身体中にいきわたると新陳代謝が高まり健康になる。
中国古代医学家たちは、血脈の運行を主宰すれば人体各臓器の調節作用が生じる=人類生命活動を主宰出来ると認識していました。
五臓主臓精气論の中では、重要な臓器と精気⇒心臓神、肺臓魄、肝臓魂、腎臓志、脾臓意と記されています。
血液は心臓の収縮によって全身各部に輸送されています。
陳王庭が太極拳を創造した時、始祖陳卜伝来の一百単八勢長拳等「状術」と中医の導引(吐納)を結合させました⇒全身放松という条件の下での運動が、血液循環をより良くする⇒太極拳運動を行うと心気旺盛となり、心血充盈、脈道などの通りも良くなる⇒心臓から送り出される血液の循環(血管の通り)が正常になる⇒功能を発揮する力がUPする⇒練拳養生作用が得られる。
反対に、練拳者の気血の通りが不足がちだと⇒心臓伸縮の力が弱くなり、脈道は塞がって病が発生する⇒練拳者の健康を損なう。
「吐納」も中国古代医学家たちが発明した一種の養生術。意による呼気と吸気「納」⇒収入。意によって吸気⇒鼻孔より⇒吐納術=呼吸術。
「吐」⇒口中から吐き出す。口から悪い気を吐き、鼻から新鮮な気を入れる⇒吐故纳新⇒飲食により身を養う。
呼吸は人体に重要な生理功能を与えています。人間は、その一生で新陳代謝を繰り返し続けています。その過程で、大量の新鮮な酸素を消耗しています。片や大量の二酸化炭素を生産しています。「吸⇒酸素を取り込む」と「呼⇒二酸化炭素の排出」は全て肺による吐纳功能です。
太極拳は拳術を利用した形態運動と「吐故納新」を相互結合させています。まず、身体の形を整えて肺が機能し易いような体勢を作ることによって、肺機能の正常発揮が図れる⇒新陳代謝の自然進行となるのです。
「太極拳の自然=宇宙」⇒「自転と公転」
腰の回転と共に、付属している腕は、地球に随っている月のように公転しているけれど~同時に、肩関節、肘関節、腕関節は地球のように自転している。公転の法則を守りながら~自転している箇所が多くなればなるほど上級者。これに、「陰陽、虚実、五行、八卦」などになぞらえた力の方向&バランス規律が加り~太極劲が出現。
「太極拳の動作は、水の性質(規律)を考えながら行うように。先ずは上から下に向かい~それから上方向に溯る⇒起勢で腕を上げる時、肩から肘へと下った水が~手へと向かう時に上がっていく⇒全ての動作は下沈から始まる(=一般的に言われている「緩んで」の状態が作れます)」