昨日の練習時、参加者に「太極八法、定歩(足の動きが無い)で、身法を遵守して内劲(気)を生産、それを運用して手腕を稼働させる練習、何時でも何処でも行えて、身法による身体操作を習慣化(自然)するには最適かも~」と、ポジションをアドバイスしながら試してもらったところ、「胴体部の運用が明確になる~練習する価値がある」と、賛同してもらえました。
★内功の基本⇒劲(気)の稼働。。。
“站桩(タントウ)=静功”⇒站功で求められるのは、静止(外側)している内側で意識によって力(劲力)を運用すること。太極拳は中医の基本となる、“吐納”を応用している武術です。“吐納=古いものを吐き出して新しいものを取り込む”という呼吸法を利用して身体の調整を図ってもいます。
起勢を例にとるなら、“丹田内転”、“心火と腎水の交泰=虚領頂頸(神往上昇)と気沈丹田=尾閭中正(気往下沈)による、脊椎の上下の引っ張り合い(対拉抜長)により小周天を通し易くする”などが可能になります。気(気功)も劲力(太極拳)も、意識によって運用されなければなりません。意識を養うには、静(タントウ)状態のほうが分かり易くなります。
第一歩としては、、、
掌は胸の高さに、身体の前で腕を丸くするという太極桩の姿勢をとり⇒虚領頂頸、沈肩墜肘、尾閭正(股関節の放松、圓裆)を保つ⇒坐って行ったほうが容易に立腰(腰が反っていない正しい姿勢)に。
姿勢が整ったら、腹式呼吸(横隔膜下降による)で息を吸い、吸った息は丹田へと落としていきます(壇中内含より関元内含へと意識による圧の移行を行えば、横隔膜下降は自然に出現)⇒腹圧(逆腹式呼吸)によって押し出された腹部の体液は、上方(背中や腕)へと移動して~自然に棚(peng)の感覚が生じます。この、体液の移動を意識の先導によって行う⇒この延長で手腕が稼働。
★陳小旺老師によるタントウ功時のアドバイスなど。
※動画の老師の言葉に、私自身の解釈をアドバイスとして加えています。
「一つ目の要求は、頭は自然に真っ直ぐ上に、肩の力を抜いて肘へと墜とす(肩を沈めた時に生じる体内の流れ≒劲・気)、胸を含め(膻中内含⇒内含により生産された劲により、背中側では弓が生じ~大椎が張り出されて有精神な状態に)、腰を立てて(収腹⇒関元内含、尾閭中正⇒命門が張り出され~劲が背中を上昇~腕へと)、股間は自然に松腰、圓裆に、膝は曲がり、股関節が開く、両手への要求などなど~これらの要求の目的は一つ⇒気沈丹田=形成丹田核心~貫通全身の基本となります」
今までのものは、抽象的(外側の形からの判断で、内側の充実ではないという意味?)な説明になります。
どうやって、丹田形成核心を判断するか?例えばリンゴ。リンゴの木になっている実が、こんな風に小さくて青かったら~まだ熟していないと判断できます。そして、こんなに大きくて赤くてツヤツヤしていたら、熟していると現れ的に判断できます。
では、現れ~という観点から彼の状態を判断してみましょう。丹田核心が形成されているか、一気貫通となっているか?もし、彼の体がこんな具合に後ろに反っていたら、丹田核心は出来ていません。こんな風に肩が上がっていても出来ていません。このように、自然で中正で、全身が安定している~という状態が表れる⇒丹田核心が形成されています。
自分自身では、どんな感覚が得られるのか?丹田に膨満感が生じている。胸部は自然にリラックスして、脚底には根が生え、大脳が安定して気持ちも静かに。このような現れがある=丹田核心が形成されている。
以下は、丹田運動の基礎練習説明。
丹田(臍の指三本分下)に両手の労宮穴を合わせて置き、呼吸の運用による丹田の回転に随って自然に回す⇒労宮穴と丹田の気は、互いに通じ合う(呼応する)⇒全身の関節は放松。核心が動く=全身が動き出す(一気貫動)⇒太極拳運動の規律。