日本太極拳の初期の頃に来日されたこともある“劉高明老師”の楊式表演です。
え~と。楊式なのに立身中正が。。。
上半身が真っ直ぐなのが立身中正では?
その答えは、尾闾中间を説明する文章の中に見つかりました。
尾闾は、尾骶骨の部位を指します。それは背骨の最末端。本来は微かに湾曲している部分。
尾闾中正とは、この末端部分を意識によって内側方向に向け、虚領頂勁と呼応して背骨を下に垂らすことで立身中正を保持している状態です。
尾骶骨と臀部の状態を説明するなら、尾闾中间であるならば臀部が後ろにつき出たりたりせず内側に収まる⇒敛臀⇒尾闾中正。
尾闾中间と身体の状態を説明するなら、その姿勢は“中正安舒”、“支掌八面”の指標となる。
太極拳を行う時、上体が上方向に真っ直ぐ立っている状態であろうが、斜め前方に傾いている状態であろうが、必ず“尾闾中正”⇒尾闾と背骨は一条の直線となっている⇒立身中正の状態。
尾闾中正となるためには、虚領頂勁、含胸抜背、気沈丹田、沈肩墜肘、松腰敛臀、圓裆松股と相互に関係し合っていることをも理解しなければならない。
尾闾中间は姿勢への要求であって動作ではない。改めて述べるなら、“頂頭懸=頭を吊り上げる”を意識してから尾闾へと意識を落としていく⇒身体が端整(立身中正)を維持できる。