北京で太極拳

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カテゴリ:太極拳秘境( 12 )

太極八法。。。

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太極拳の基本となる八つの手法。
掤、捋、挤、按、采、挒、肘、靠=「太極八法」



力は武術の根本。力無くして相手を打つことはできない。
太极拳には八種の劲力がある。

掤(化解と発力)=手腕。
掤劲は八劲の基本。上外へと向かう力。
相手の胸への攻撃を避け、発力。


身体の外(後ろ)へと向かう横力。三分は下向き~七分は後向き。


手の甲を使って前を押していく力。要点は、両手の力の合。
両足はしっかりと地を掴む⇒下半身の力による外掤劲。


腰の力(腰を後ろに張り出す力)を使う⇒上半身の外掤劲。
前に推す、上へと押し付ける。
虚領頂頸必須。含胸抜背~腰より発する。


相手の腕や肘を掴んで、下後ろ方向へと沈ませる。


両肘の力(回転)によって、腕を左右上下へ動かして相手を躱す⇒相手のバランスを崩す。


肘を曲げて、相手を打つ。
相手と接近している時に使う。


相手の身体に接触~肩、胸、背など身体で打つ⇒寸劲。
by takeichi-3 | 2014-11-23 23:56 | 太極拳秘境 | Comments(0)

初心に還って。。。太極拳練習方法

自分で太極拳関係の資料を日本語に訳し始めた頃のものですが、、、再度。
太極拳の練習=規律を大切に。。。時が経つにつれて、重要度が増してきています。

≪太極拳秘境≫
陳式、和式の「白鵞亮翅」~の型と用法説明から~
名称は同じでも、動きや使い方は色々あります。



(陳式)
主要な攻防は二種類あります。
一つ目は、相手が打ってきたのを防いで~膝蹴り⇒分手堤膝
二つ目は、上に上げ、下に押さえ、一歩進んで肩で靠する⇒分手肩靠

(和式)
和式の特徴は、円走(手も足も円を描きながら動く)
相手が打ってきたら、その力に従い弧を描きながら従い~化して発。
三種類の発が可能です。


年月の経過とともに、どのように太極拳を伝えていったらよいのか?

(陳式)
太極拳の歴史をみると、波がある⇒ピーク時には練拳人が多くレベルが高い。低調期⇒練拳人が少ない=レベルが低い。

伝えなければならないのは套路ではない。
套路は一日でも作れる~大切なのは練功法。どのようにしたら熟練出来るのか。
練功とは、規範を学ぶことであって、巧(理論が伴わない技のみ=うわべ)を学ぶのではない。規範の精度が高まるに従って自然に熟練し、千回万回と繰り返していくうちに功は巧(練習者それぞれの本能と結合した技=風格、絶技)の域に達する。

同じような練習をしていても、型や攻撃方法が老師によって異なるのは、練功を通して手に入れた独自の巧だから。

(陳式)
丹田核を形成させ⇒一動全動、節節貫穿、一気貫通という運動体系。

(楊式)
連貫で大切なのは、動作と動作の間を感覚(途切れることのない意識)が繋げているということ。

(呉式)
相手との接点に力みがなければ、相手の攻撃を受けることなく、その力を化(無)することが出来る。

(孫式)
「快打慢、慢打遅」を研究しています。
放松していれば、一番早く動けます⇒「最快就是放松」

(和式)
拳の三原則
①スムーズで勢いがある。
②自然にゆったりとしている。
③柔中求剛

(武式)
功夫⇒時間。
整劲(全身協調一致した力)は、放松から生産される⇒発力は一瞬間に作り出される。

【練習の基本】
太極拳の練習では基本功が大切。
早朝の公園などで太極拳を行っている高齢者が身体を壊したりすることがありますが、その原因は、動作規格が間違っているから。太極拳訓練は正しく行わなければなりません。

(楊式)
俗説で、「太極十年不出門」と言われていますが、、、この言葉に対して間違った解釈がされています。
動作だけを見ると、緩慢、連貫柔和な太極拳。早朝の公園、家から出てきたての老人たちが準備運動なしで太極拳を始めていますが、ウォーミングアップは必要です。太極拳は武術~なので、その動きに即した準備運動⇒腰功、腿功、旋転、バランス、跳躍⇒柔軟性や脚力を養います。

太極拳の桩站(タントウ)は、動態と静態の二種類があります。

動態⇒套路の中の一つの動作を何度も繰り返し練習して、内側の感覚を研ぎ澄ましていくこと。

静態⇒足を肩幅に開いて静止状態で、自身の状態~関節、心、呼吸を整えて松沈の感覚を求める。そして、身法の感覚も~立身中正となっているか⇒胸は含まれているか、背は抜となっているか、両腕はPENGのある円となっているか、膝は爪先を超えない~など、全身をチェック~松&八面支撑(中心からの力で、表面に張り出し=PENGが生じる)を求める。

練習を続けるに従い脚力がつき~下盘穏固(下半身が安定)、上盘軽霊(上半身が自在)となる。
放松となると、精神が研ぎ澄まされて~動作を充実させる⇒生命力のある自然な力&呼吸⇒深沈(気沈丹田)⇒内外相合。

(武式)
時間を費やした練功がないと、功夫は得られない。
大竿練習は内劲と腕の力を増強させます。発力の為には欠かせない基本⇒内劲を強くして、整体混元~功力を高めるのに適した練習~杆は自身の能力に合わせて、大中小から選ぶ。私が使っているのは、4m70cmの白蝋杆。
主な基本動作⇒磞、挑、合、按。

(和式)
百日功⇒同じ時間に同じ動作を百回以上~を百日積み重ねる短期練習⇒型、攻防を一定に~内外相合を求めるのだが~絶対に欠かせないものが⇒良い老師、体力、時間。

(楊式)
初心者は、まず、套路を覚える。

(陳式)
動作をきちんと把握する。要求(身型など)を理解する。目的(用法)を知る。

(武式)
王宗岳、武禹襄、郝為真などが著しているように、拳理に照らし合わせた練習⇒守規範。

(呉式)
注意深く、真面目に苦練を積む⇒規範に照らし合わせながら。

(楊式)
意識(神)が下意識(意)となった動作(気)に変化する⇒太極拳学習の第二段階は内功修練⇒内外相合。
動作一つ一つの意味を考え、力点をどのように表していくか。

(武式)
拳譜には、初めは大きな動きの大架、後に小さな動きと書かれている。レベルが上がるににつれて、中架、小架と小さな動きに。

(陳式)
練習時は、有意無意(意識と無意識の間)な状態で。意識50:放松50。。。

(武式)
急がない。功夫=時間。
練習時間を積み重ねることによってレベルアップしていく。

(陳式)
自分自身の感覚を大切に。決まりごとに束縛されていると、感覚が発達しない。

(武式)
自然に。自分自身の状態を把握しながら、一つ一つ階段を登っていく。

(孫式)
正確でない=動作が規範ではない、科学的でもない⇒体に悪い影響を及ぼす。

(和式)
太極拳の理論と文化を学び、理論と技術を結合させる。

(武式)
動作と攻撃を考える~短快(速)な方法。。。手を合わせた瞬間に腰を回して⇒より速く&より省力。

(楊式)
套路練習を積み重ね、内容を掌握するにつれて、尽きることのない喜びが与えられる。
精神の安定、教養⇒長い時間をかけ、理解が増すと文化教養も深まる。


【まとめ】
太極拳の運動規律を守り理解していくようにするという練功を積み重ねていけば、功夫は自然に現れてくる。

基本功は地味だが、重要(役に立つ)。
練習の積み重ねに比例して、内側から、次から次へと新しい感覚が生まれてくる。
太極拳は一生楽しめる運動。
by takeichi-3 | 2013-12-28 23:58 | 太極拳秘境 | Comments(0)

太極拳秘境~各派各種攻防。。。

映像は、≪和式太極拳の靠≫の途中から始まっていますが、、、



この動作を攻防で使うには、相手の力の方向を聴かなければならない。
二人が手を合わせる~相手が突然に力を加えてくる~(実演=順靠)~相手の力を引き寄せた時に、背中で靠~相手を引きこめなかった時には、迎門靠を利用~(実演)~相手の力を聴いた後に、その力を失わせ(化)て処理する⇒相手がバランスを崩したら、靠。

とても分かりやすいですね。
その上、実用的です。

≪孫式太極拳の金鶏独立≫
まず、重心を安定させて座って~立ち上がる。そして~下に沈み、立ち上がる~
相手が攻撃してきたら~(実演)~手で顔を守ると同時に攻撃を加える=攻撃力が高まる⇒膀胱を破壊~
孫式太極拳の動作は穏やかな感じに見えても、いつでも攻撃が出来るような敏捷性を備えている。

≪陳式太極拳の掩手肱拳≫
掩手~合による遮断(拳を隠す)~分けながら(開)、打(出)拳~拳は遠くの敵を、肱は近くの敵を、密着している敵には靠~(実演)~相手の動きに合わせて、拳、肱、肩(靠)で攻撃する。

この三種類の発劲は同じ~相手との距離によって使い分ける⇒遠用拳、近用肘、貼用靠。

≪武式太極拳の単鞭≫
相手を引きずりこむ⇒松沈座腿して相手を動かす~右手で相手を後方に引き込み(空にする)、左手は前方に、発力~陰陽同時、同時進攻~(実演)~化してから攻撃~腰によって動く。

見栄えが良いだけでなく実用的ですね。
武式太極拳の動作は小さいが、攻撃は短く(相手との距離=路線)早い(発力)。

≪楊式太極拳の単鞭≫
(実演)~重心の移動~右手は刁手(掴む、引っ張る~蟷螂拳の手技名称に使われる)、左手は腹前に~左手は腰間から上がり立掌で相手を打っていく~刁手の働きは?~体を回しながら攻撃を防いでいる~同時に、左側からも敵が~前に踏み出して攻撃⇒単鞭は、両側を顧みることが出来る分身打法。
迎面掌と刁掌(勾手)で両手を分け広げる⇒拉(引っ張る=開展式)単鞭。

≪陳式太極拳の勾手≫
套路の中でよく出現する勾手。
例えば単鞭は、右手が勾。斜行は、左手が勾。閃通背は左手が勾。
その用法は、擒拿を防ぐ。この形だと擒拿されにくい。手を開いていると簡単に擒拿されてしまう。

また、擒拿を解くこともできる~(実演)~勾手でなくても使えるが、時間がかかる~(実演)~勾手で擒拿を解かれそうになった時の対策&その後の対策も実演~
by takeichi-3 | 2013-02-03 23:57 | 太極拳秘境 | Comments(0)

太極拳の身法。。。軽灵(力むことなく自由自在に動く)



以前、太極拳を学んでいる時、老師が「太極拳は軽灵沈穏でなければ」と言っていました。
長い間、理解できずにいたけど、練習するにつれて少しずつ体得できるようになっていきました。
軽灵は松弛柔和~沈穏は下半身の安定(実がある)と気沈丹田(内練)。
これらは、太極拳の練習に際して、重要な身法への要求です。

太極拳を練習するに当たっては、身型を正しくしなけらばならない。身型が正しくなれば、内劲が生じてこない。

太極拳の特徴でもある軽灵は、どのように身法から生産されるのか。。。

簡単に説明すると、、、
運動体系(太極拳理論)を基礎としての練習を続け~それが体現できるようになり~誤差が少なくなってくると動作(外)と内部が協調一致し始め~拙力(筋肉を緊張させるような力)を使わなくなり⇒軽灵(力むことなく自由自在)な動作となる。

太極拳初心者の動作が軽灵でないのは何故か?
動作規格を正しく覚えていないので、拙力が出てしまう=軽灵とはなれない。
練習を積み重ねて習熟するにしたがって、徐々に誤差が縮小する⇒内気の流量が増えてくる⇒流量がある程度のレベルに達すると、質が変化してくる⇒内気が引き出されてくる⇒内気が体全体を貫通⇒内から外へと力が貫通するようになる。

「以意行気、以気運身」が可能となる。
「内気不動、外形寂然不動(何の動きもない)~内気一動、外形随気(気に随って)而動」
随着気動=(自然に)軽灵となる。

軽(灵)であっても浮(漂)ではない⇒ある人の動作を見た時、軽松であっても上辺ばかりで実(下半身の安定)が無かったりする。

「軽而不浮、沈而不僵(硬)」
運動規律(一動全動、節節貫穿、一気貫通)を遵守した練習(動作)によって、軽灵となる。

太極拳十三行功歌の中に、「立身中正転換易」とある。
人体は立体。立身⇒中軸線が必要⇒上下正しい垂直であれば、転換が軽灵となる。

姚継祖老師の譬えだが、人体は門扉と同じ。
昔の門扉は、上下に取り付けられた蝶番(軸)の回転で開閉していた⇒上は百会穴。下は湧泉穴。

門扉の建てつけが正しくない(垂直になっていない)と、転換も軽灵とならない⇒余計な力を使わなければならなくなる⇒だから、身体は立身中正が要求される。

軸は上下が一直線上になけらばならない。

王宗岳の太極拳論の中に「一動無有不動」とあるが、、、
どこかが動く~必ず全身各部位も動く~下から上まで、全身が協調して動作を行う。

武式太極拳では尾閭正中を身法としている。
これは、中正を基礎とした内功の鍛錬法。命門を後ろに撑(ボールや傘を開いたときのような~棚のある張り)して、下腹は上向きになるように~意気は下に沈み~足底へと至る。

体験~命門を撑⇒外に向かって。
試して~命門を撑~戻して~撑⇒これが下松(松沈)~松の時、意気(吐く)が足下に至るのを感じられる。

下松の時、両手は内合~上棚(peng)⇒上に向かう棚⇒下半身の安定を増加させる。
下半身が「実」という感じがします。

転換の時、門扉軸のように上下は一直線上に。
例えば弓歩で前に推しから、方向を変える~踵を軸として回転~こうすれば、整体(全身)的転換が出来る。

命門が後ろに張り出されていないと、推された時に堪えきれなくなる。
下に松沈すると、相手に抵抗する力が生じる。

どうして内功を練習しなければならないか。。。
内功=底盘(基礎)⇒基礎が安定強固⇒相手の力を受け止めて~転換させることも可能になる。

これは、尾閭正中が基本になっているのですね。
中正は外見的な要求、尾閭正中は内三合(精神、意念、気)が調整(協調=整体)されたことによる力。

立身中正によって、バランスを感じ取ることが出来るようになる。
推手の最中、自身の体が中正であれば、相手の力を聴くことがでる。
手眼身法歩の中で身法は要となるものです。
by takeichi-3 | 2013-01-29 23:54 | 太極拳秘境 | Comments(0)

太極拳の圓弧運動。。。

動画の途中までですが、、、太極拳の圓弧運動についてを説明しています。



太極正功解の中に、「太極者也 無論内外 上下 左右 不離此圓也」とあります。
太極拳の特徴でもある圓弧を描きながらの運動路線は、実戦においての技撃秘訣の一つです。

世の中で最も基本的な運動形式は圓周運動。
宇宙から原子に至るまで~古代の人たちは、数千年前から、「天圓地方=天は丸く(天時~60年の輪)、地は方形(方位を表す「四面八方」)⇒中国古代科学の宇宙への認識⇒陰陽学の体現⇒中国伝統文化の核心・精髄~説明が長くなるので、後日に~」と認識していました。

圓=完全=満ち満ちている=バランスが取れている。
圓は、太極拳を分かりやすく説明しています。

太極拳理から太極拳の動作を体現~太極拳は圓運動による連貫性という風格をもっています。形のある圓と無形の圓~平圓と立圓。。。圓でないところは存在しません。

私たちは、どのように太極拳の圓を理解したらよいのでしょうか。。。

理論を拠り所として練習を積み重ねる太極拳。
その太極を最も直感的な形で表現しているのが太極図。太極図には圓が描かれています。

例えば~太極拳の動作の中~圓が出現します。
両手の間に、はっきりとした圓がありますね。
それから、立圓と、平圓、斜圓⇒それらによって、太極拳が要求する混元状態が形成されます。

太極拳は圓運動。圓は太極拳がもつ運動規律。
太極拳練習に際して~手法、歩法、身法は、圓運動を体現しなければなりません。

身体は、腰、背骨を中心として~上肢は、肩、肘、手首の関節を中心として~立圓、平圓、斜圓を描きます⇒様々な弧を象りながら連貫して動く。

様々な圓は、攻防ではどのように用いるのでしょうか?

立圓、平圓、斜圓って?
各種攻防の角度によって使い分けられます。相手が正面から攻めてきたら、弧線はこんな風に~後ろから攻めてきたら~左から来たら~右ならこう~相手の攻撃の角度によって変化させる必要があります。

太極拳の歩法は、両足が交互に体重を支えています。重心移動の過程では、立圓、平圓という弧形軌跡によって動いています。

和式(趙堡)太極拳の進歩~野馬分鬣の前方歩行の過程では弧を描きます。ダオジェンゴン(和式太極拳独特の漢字を使っているようです⇒ピンイン基準で、各派ごとに漢字を選んで各式名称をつけることが多々あります)で後ろに下がる時にも、弧線となります。

この弧線の攻防に際しての作用は⇒実演付き~相手の脚を制御して、更に力を加えてバランスを崩し~推す⇒三節を理解して相手を制御します。

太極拳での攻防の特徴は、自分のバランスを保持し続けて、相手のバランスを崩す⇒省力&借力。

太極拳は圓運動、あらゆるところに圓が出現します。
体全体、各関節~相手が打ってきたら、圓運動で処理します。処理=相手のバランスを崩す⇒借力によって相手を倒すのが目的。

圓弧動作は、松静、軽柔、沈穏、緩慢となることによって自然に行われるようになります。
自然なものとするには、軽松が必要です。活(自由自在)に動けるようになるためには、気勢も圓満でなければなりません。圓であってこそ活となれるのです⇒圓は活の基礎です⇒圓は活、方(四角、直線)は滞。

太極拳運動の規律を理解することによって、圓活連貫~行雲流水となります。

太極拳の動作は緩慢、柔軟~ということから、実戦的ではないと思う人もいますが、柔軟は目的ではなく手段。極柔軟となると、極堅剛となれるのです⇒これが、太極拳技撃の精髄です。

多くの人たちが太極拳を好きだという理由は、柔美に見えるから。
ですが、ある人は、これで人を倒せるのかと、、、綺麗なだけで使えない。では、太極拳の柔とは?


動画の続き~太極拳の≪柔≫については、2012年12月17日に紹介しています。
http://takeichi3.exblog.jp/18267570/
by takeichi-3 | 2013-01-18 23:55 | 太極拳秘境 | Comments(0)

「極柔軟、然后(それから)極堅剛」―太極拳発力



太極拳の動作は柔和です。その要求も緩慢とうことから、太極拳で人は打てないと誤解されていますが、柔軟は目的ではなく手段です。楊露禅は、「極柔=極剛」と言っています。柔和(緩慢)は太極拳武術の精粋です。


「極柔軟、然后極堅剛」―太極拳発力

太極拳の中の柔は、どのように体現するのでしょうか?
太極拳の柔は、力点の変化による弧形運動が柔。直線は強張って固い。
松と柔の関係は、どのように理解したらよいのでしょう?
放松と柔の関係は、先ず放松~できたら、柔に至ることが出来る。柔は外部に現れる松。発力や爆発力は?実際に爆発力を出す時には、その前に松柔が必要。松が出来ると身体は柔らかく使えるようになり、爆発力を発生させることが出来る。

柔は太極拳練習の中から生じてくる結果。
柔の目的は、体を放松に導くため。曲線や圓で動いていると、刻々と力点を変化させることが出来る。また、直線である発力も生じさせることが出来る⇒「先有柔、先有松」という条件下で「有剛、有硬」となる。

剛=発劲力。
剛劲と僵劲の違いは~「一動全動、一気貫通」が剛劲。
この発劲動作を見てください~二種類の動作の違いが分かりますか?
剛劲は、「一気貫通、節節貫穿」⇒全身の力の全てが一つの目的に向かって発せられる=剛劲です。

太極拳の剛は、松柔の練習を通して周身静成となることで生まれます。発力をする時、私は、一点から瞬時に力を出すことが出来ます。このような剛は、全身が協調一致した沈穏な剛です。

「棚peng」は手腕~八劲の基本⇒上外に向かう力⇒相手の胸部を攻撃。
「捋li」は掌~身体の傍で横に向かう力。三分は下方向~7分は後ろ方向。
「挤ji」は手の甲~前に向かって押し出される力。要点は両手の力を合わせる。両足指は地を掴んで前方向に。
「按an」は腰~上前方向に按~押し出す力⇒頭を上げて、含胸抜背~腰の力を使う。
「采cai」は十指に~相手を摑まえるように、相手の腕肘を下&下後ろに沈ませる。
「挒lie」は両肘~両腕を左右上下に遮りながら動く力。
「肘zhou」は曲げて使う~肘で攻撃。近距離で使用。
「靠kao」は肩胸~型、胸背など体の部位を使い、相手の体に貼り付いて使う。
以上が太極拳八法。

陳式太極拳の発劲、カッコいいですね。
松で発すればカッコいいが、強張った固い力で行うとカッコ悪い。発力で大切なのは、松、活、弾、抖、この四つの字を理解するのは難しいですが、体がうまく放が出来たとして~発力していない時には全身は放松している。この放松、し過ぎてはいけない。腕と手を体に適した位置を捜し出して持ち上げる。

この前提の下、自然に丹田に核心が形成される。
動きだす時には、丹田からの力によって全体が動く⇒松、活、弾、抖の効果。
片手、両手、側面~どれも同じように。

発の前は松になっている。発の時間(距離)は、短ければ短いほど良い。
この発力は丹田から~腰部から発せられているのですか?
そう、ある種の運動体系です。

其根在脚,発于腿
主宰于腰,形于手指
由脚而腿而腰,総須完整一気
(武禹襄=武式)


どうやって脚から劲を発するか。。。身体全体を使いこなす=整体。
先ずは、松沈を完成させる~相手が力を出した時に、自分の松沈を完成させる⇒足に沈みきると、その反発で蹴り出す力が自然に足裏から生じ、一気貫穿~手へと至る。

第二には、腰の転換。
腰は一身の主宰。動くときには、腰が四肢を動かしている⇒両腕と、両腿は相随している⇒動くとき、腰が主となっている⇒両手は動かない、腰が体の変化を導いている~これが腰の転換による劲~腰の力と、地面からの力が合わさり手に伝わる⇒整体の形成。

太極拳の整体発劲とは?
王宗岳の太極拳論の要求は、一動無有不動、一静無有不静

動く時には、体の関節や筋肉の全てが動いています⇒腿から腰~腰から肩~手へと至る=一気通貫。

手には上体の要求⇒肩が肘を促し、肘が手を促す~この整(体)劲は松柔を源としている。
発力は一瞬で生まれる。力が発せられる時、体は沈み安(穏)定している⇒最初に松~それから緊(=剛)⇒蓄と発⇒「先松后緊張」は、松が緊を創りだす条件です⇒松は目的ではなく、最終目的は緊。
by takeichi-3 | 2012-12-17 23:52 | 太極拳秘境 | Comments(0)

太極拳と秤。。。四両抜千斤

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今まで、太極拳用語の≪四両抜千斤≫に関わる文章を何度か読む機会はありましたが、どれも、今一つ~という感じ、、、
今日、≪立如平(秤)准≫という熟語説明を読んで、おぉ~と、感じるところがありました。


≪立如平(秤)准≫
立如秤准の中に出てくる秤は、古い時代の縄を使ったような物だと思ってください。
天秤棒を中心から上に持ち上げている縄があり、その両サイドに錘と品物が乗っています。
天秤に乗せられた荷物の量を正確に量るには、天秤を釣り上げている縄が垂直に持ち上げられていなければなりません(=虚領頂頸&立身中正)⇒そのような状態が維持されることによって、ほんの少しの重量の差でも天秤棒に偏りが生じる(=平らではなくなる)ので、正確な量を見極めることが出来るのです。

太極拳の四両抜千斤という理論は、これに則しています。
相手が千斤の力で攻撃してきたとしても、自身の秤が正確なら~相手の力の方向に傾いて、相手のバランスを崩す(抜)ことが可能になるのです。



で、改めて~太極拳秘境の≪四両抜く千斤≫
簡略した翻訳ですが、、、((((((^^;

≪乗勢借力≫
相手が手を出してきた時、私は相手の力の方向に逆らわず添って動きます=乗勢。
そのうち、相手が自身のバランスの崩れを感じて体勢を立て直そうと力の方向を変えようとします。その時、相手が戻っていく(撤退)力を利用して攻撃に転じます=借力。

推手の中では、これを虚実の変化と呼んでいます。
「己不動彼不動、彼微動己先動」
先に知る~听劲が大切です。
拙力を使うと~拮抗してしまいます。
彼が真っ直ぐに来る~私は側面に向かいながら、相手を彼が向かっている方向に流します=順勢~それから、彼が形勢を整えようと方向転換しようとしたのを察知したら~即、発力。

≪引進落空≫
これは、太極拳の主ともなるものです。
太極拳は引進落空=相手の力を利用して倒すことが主旨となっています。
引進=二人の力で相手を推していく~相手を自分の中に引きこんで~仮に、あなたが私の方に向かってくる、私は後ろ方向に引き込む=自分を失くして、相手に随う~相手の力に拮抗しようとはしない=順に随う。
相手が私の空間に引き込まれる=落空。
落空には二つの表現があります。接触点の力が無くなる&接地点の根が抜かれる。
相手が私の手を上から抑えている~翻すと⇒落空。
もし、相手が大きな力で抑え込んでいたら、きっと前に倒れこんでいたでしょう。
推して~私が陰陽を調整すると~あなたの踵が上がってくる。
引進落空の主要な効果は、相手のバランスを失わせることが出来る⇒足のバランスを崩す=抜根。
上半身のバランスを崩す=落空。

≪柔化剛発≫
「剛=発」ということは、誰もが知っています。
「柔=変化」~不発。
相手が力を使ってきたとき、私は柔化して相手の力の方向を変化させます。
相手が私の中線に来た時に、相手の力の方向を変えます=化解=柔化。
相手がバランスを崩した時に剛劲=発します。

≪牽動四両抜千斤≫
本当に四両という重さでしょうか?
決して、そんなことはないでしょう。少ない力という意味です。
千斤は?五百斤という表現でも構いません。大きな力という意味です
⇒小さな力で、大きな力の方向を変えるという意味です。

どんな風に変えるのでしょう?
千斤の力を、こんな風に腕の力だけは引っ張れません。百斤でも難しい。
相手の力の方向に随って、私の核心(丹田核)も動きます。こうすれば、筋力で相手を引っ張らなくとも、少ない力で事足ります=小さな力で、大きな力を引っ張ることが可能です。

牽力=相手が動いているという状況下で相手を牽き動かすことです。
動いていない時には使えません。

二人が接触した時、速やかに相手の力を察知しなけらばなりません。
相手が打ってきた時、体勢を整えて~相手の力に合わせて腰を回転~相手は力を失って、私にコントロールされる=抜根=牽力。

相手の力が大きければ大きいほど、効果は大きくなる。
by takeichi-3 | 2012-09-21 23:48 | 太極拳秘境 | Comments(0)

太極拳の放松(ファンソン)。。。太極拳秘境



≪松=放松≫は、太極拳で最も重要な要素。松は、どのように実現するのでしょうか?

ただただ力を抜く~ではダメです。
例えば、各関節の位置(外三合)がズレていると松下(松が出来た~その効果によって自然に緩みが生じて下に沈む)が出来ない。
先ず、形を整える⇒自然に松が生じる⇒正確な動作が重要。

どれ位、松する?
バランスが大切です。松し過ぎるのもダメ。松は協調一致運動の為に働いています⇒松であればあるほど良い~は、間違いです⇒萎えてしまう⇒「失われる」という表現をします。

松は、太極拳を練習する道具の一つであって目的ではありません。
松状態での練習という手段を通して、より多くの筋肉を効率的に使えるようにしています⇒最終目的は全身の≪静≫と≪内外成為一家≫

「松者蓬松也寛而不緊也~~~~~」
呉図南が≪松功論≫で著している言葉。
太極拳の≪松≫は周(全)身内外が松している状態⇒一か所たりとも固く緊張している部分が無い⇒松であっても散(集中がない)ではない、松であっても乱れがない⇒松の中には研ぎ澄まされた精神があり、相連(連環=節節貫穿=協調一致)がある⇒松は太極拳の拳魂。

人体は、松という状態下で、腰、股を自由自在闊達に動かすことが出来る。
全ての関節が滞ることなく生き生きと動く⇒筋肉、関節が順(規律に随って、自然)に動く⇒経絡の通りを良くする~意識も途切れることなく通すことが出来る⇒劲を正しく通す(目的地まで到達させる)ことが出来る。

虚領頂劲⇒虚領とは何を指しているか?⇒首の後ろ(うなじ)⇒頂劲とは何?⇒頭頂の百会⇒百会、もしくは頭頂。それを軽く上に持ち上げるような感覚。

持ち上げる感覚は、どのような条件の下で生じるのか⇒虚領(首の力を抜く)~首に力を入れて引き上げているわけではありません~頂劲=自然に頭が上に向かっている状態。

この二つの動作の順番⇒先ず、首を放松させると~頂劲となる。
正しく行われると、自分自身の内側に上下に引っ張りあう感覚が生じる⇒虚領となるにつれて下方向に沈んでいく感覚が生じる⇒頸椎の一つ一つの間隔が開いて(緩んで)落ちていく⇒放松へと導かれる。

下顎は軽く収めて、目はまっ直ぐ前を見る⇒これらも虚領頂劲になるための重要な要素です。

含胸抜背はどのように理解したらよいのでしょうか?
含胸抜背の目的は?
太極拳理論要求の中、≪胸寛≫⇒含胸=寛胸という身体動作を通して横隔膜を下に下げる⇒肺の呼吸量を増強⇒含胸抜背は武術的要素意外に、呼吸器系統を良くすることが可能。

太極拳の中で、体を回す⇒腰と股が主。
松股⇒膝関節が放松、足首もまた放松。
爪先を開く時、60度を超えないように=超えると足首関節が緊張~膝関節も影響されて緊張(伸びてしまう)~膝関節が緊張~股関節も緊張⇒角度が適切であれば、緊張しない⇒自然に重心が下沈⇒重心が後ろ脚に乗る⇒臀部と後ろ足が垂直線上にあれば、自然な弾性(蹴り出す力)が生じる。
松腰、松股が出来る。

動作の過程において、肘関節は終始地面に対して適切な角度(弧)を保持している=肩関節は松開して沈んでいる⇒松の目的は身体を引き延ばす(関節を開く)⇒より遠くを攻撃できる。

太極拳の要求は全身松放。
虚領頂劲、沈肩墜肘、松腰松股は、松となる為に必要な基本的要求です。そして、永遠に追及していかなければならない課題でもあります。

ユックリとした練習を積み重ねるうちに体感出来るようになります⇒たゆまぬ練習によって、全身、各関節が連環(貫穿)し、意識の伝達がスムーズになり身体のあらゆる部分を敏捷に動かすことが可能になります⇒各関節をコントロールして四方八方に自由自在に動くことが可能になります⇒いつでも発力~関節から関節へと力が貫かれる⇒最速で、全身の力を収集して力点へと到達⇒目にも留まらぬ速さ~稲妻は、その音よりも早い。

松によって、快速が可能になる。緩によって、内劲が増長する。
力を使わず、自然の沈みを利用。
太極拳は、快(早い)と慢(ゆっくり)という反対の性格を併せ持つ運動(直:攻撃は快、円:防御変化は慢緩)⇒独特な攻撃理念。

武禹襄の太極拳論の初めの言葉⇒「一挙動周身備要軽灵、尤須貫串=一動無有不動、一静無有不静」

太極拳練習では、まず、形の正確さを求めなければなりません。
正しい形になると、内側から自然に内劲が表れてきます。
練拳方法は、多くの型を覚えれば良いというものではありません。では、どのような練習が良いのでしょうか?

簡単に言うと、太極拳の運動体系(理論)を基礎とした練習を積み重ねて誤差を少なくしていく⇒誤差が一定のレベルになる⇒動作と内面が協調一致=拙力を使わなくなる⇒勢いが生まれる。

拳論⇒端正を基本とすれば全身に自然の力が生まれてくる。
立身中正⇒偏りがない⇒支撑八面となる⇒「静如山岳、動若江河」

≪太極拳十三行歌≫の中に、立身中正は転換を易くすると書いてあります。
人は立体⇒立身=中軸線。上下が正しい垂直線⇒転換が自在になる。

立身中正=バランス力の元。
推手において、自身が立身中正であることによって相手の力を判断することが出来る。
手眼身法歩の中で、身法は中枢となっている。

陳長興は太極拳十大要論の中で、
「上欲動而下自随之、下欲動而上自領之、上下動而中部応之、中部動而上下和之、手動腰動、足動、眼神亦随之動」⇒(太極拳運動の特徴である「周身=整体」、「上下相随」、「協調一致」を説明。これらが出来るに従って太極拳のレベルも上がってくる)

手、肘、肩、胸、腹、、、下肢は股、膝、足首、足。
上下が相随=丹田を核心とした~一動全動、節節貫穿が出来る。
相随⇒まず、形が定まる⇒丹田に核心が形成⇒動く時は、丹田が核心⇒上下が一緒に動き出す原動核⇒丹田が動く~手が動く~脚が動く~足首が動く⇒どこもかしこも動く。
by takeichi-3 | 2012-07-25 23:52 | 太極拳秘境 | Comments(0)

擒拿分筋錯骨。。。

「呉忍堂老師が語る趙堡太極拳」という内容の動画。
ここで見られる技は、「擒拿分筋錯骨」を使っているそうですが、、、



趙堡太極拳。
李秉慈老師が来日した時、太極拳全書(五大流派の基礎知識満載の書籍)を読んでいると告げた私に、
「今度出版する太極拳書籍(今思うと、書籍ではなくDVD太極拳秘境のことでした)には、趙堡も加えるから六流派になる。」と、、、
当時は、「趙堡~?」と曖昧なイメージしか持っていませんでしたが、ここ最近になって納得。
他の拳式に比べて外部への伝播が遅れたせいなのか、武術本来の味わいがあります。
理論、形を大切にして~という基本に興味がそそられるのですが、思い当たる老師がいません。Ρ( . . )

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「擒拿分筋錯骨」は、初めて聞いた言葉。
資料が無いので詳しくは分りませんが、、、

擒拿は徒手格闘技での手法。
人体の関節やツボなどを利用して、相手の身体に対して局部的にダメージを与える技。

・小擒拿とも呼ばれる「鎖筋扣骨手」
⇒敵の小関節や筋肉などを掴む。

・大擒拿とも呼ばれる「分筋錯骨手」
⇒筋肉や腱を掴み捻じり、相手の大関節の動きを制御する。


f0007580_23354753.gif関節
今、その使い方に一番興味を持っている部分。
次の北京行きに際しては、資料を手に入れてこようと思います。


初級者向けの擒拿練習。。。


by takeichi-3 | 2011-06-09 23:38 | 太極拳秘境 | Comments(0)

太極拳は、何故ユックリなのか。。。

「あんなにユックリで、戦えるの?」
と言われることもある太極拳の動作。。。ユックリなのは、何故?



「陳家溝の水を飲んだ者は、全てが武術を嗜む」
という言い伝えが残る陳家溝に、邱惠芳老師が陳小旺老師訪ねます。

実際に使う時(攻防)は早いのに、練習ではユックリと動く太極拳。
その理由を、どう理解したらよいのでしょう?

太極拳練習時に動作がユックリしているのは、丹田を核心とした運動体系を形成させる為です。
「一動全動」「節節貫穿」「一気貫通」という運動要求は、全て丹田核心による運動体系を完成させる為もの。これを実現するには、ユックリとした練習で、少しずつ浸透させる必要があるからです。
⇒動作規律の精度を高めることによって、動作がブレないようになる⇒同時にスピードも上がる。

この運動体系は相手の動きの変化に対応できるものでなければなりません。
相手のスピードが早ければ早く、突然推してきた時には身をかわす⇒相手が早い=私も早い。
静止不動⇒どんな時でも丹田核心は安定してズレない。
太極拳の運動体系が形成してくると、相手に合わせた変化をしても丹田核心を失わずにいられます。

功夫の深浅によって、そのレベルは異なります。
例えば、曲がりくねった山道で、太竿を手にした強盗が上から旅人を襲おうと待ち受けているところを通った時、背中に荷物を持った旅人は強盗には気付かず突き殺され荷物を奪われてしまいます。
けれど、功夫があった四伯(陳小池)は、その気配を感じて太棹を避けたばかりか、それを掴んで相手もろとも落下させてしまいました。ユックリだとこんな感じの動きですが~練習を積んでいれば、スピードが増しても同じように乱れのない正確な動きができます。功夫を積み重ねるうちに、皮膚感覚などが研ぎ澄まされてくるので、周囲のちょっとした変化にも敏感になります。

ユックリとした練習で散(全身が協調一致していない動き)を少なくしていく⇒散だと太極拳の核心運動が基本となる動作体系ができない⇒速く(正確に)動くことができない⇒身体の内側で経路を通す為にユックリとした練習から始めるのです。

武術は、太極拳でも長拳でも外家拳でも「快打慢、慢打遅=スピードが速い方が強い」と言われています。

拳譜の中では、“肩に力が入ると肩が固まる”と書かれています。
手腕を動かす時、肩が硬いと速度が遅くなります。

放松という条件があってこそ、拳は速くなります。
太極拳の理論に、「你不動我不動、你要動我先動」とありますが、、、何故「我先動」?

相手が放松状態で先に動こうとしている時には、その動きを封じる為に先に動く必要があります。
放松している状態では、相手が攻撃しようと思うと同時に拳が猛スピードで出てくるからです。
快=絶対、慢=相対。

放松の度合い~ただ無駄に放松している(弛緩or脱力)だけではダメです。
関節の位置を見てください。正しい位置(規律)からズレていると正しい放松になれません。
位置が正しくなって、ようやく放松が生まれてきます⇒動作規格は正しく。

放松は、足りなくても過ぎてもダメです。
自転車に乗っている時と同じ。緊張しすぎるとブレーキが強くかかってタイヤが回りません。弛み過ぎると押さえが足りなくてグラグラしてしまいます。

放松は、全身を協調一致させることができます。
けれど、放松過多(弛緩or脱力)だと力が萎えてしまいます⇒劲が失われる。

攻防において。
緊張が過ぎると、丹田核心を回すことができません。丹田核心は放松している時にのみ回すことができます。放松過多だと身体内側での連携ができません⇒く変化(回すこと)が上手く出来ない。
放松不足⇒緊張、放松不足⇒萎える

練習を積み重ねて、丁度良い状態を掴む⇒攻防に合わせた丹田核心動作を理解する⇒経絡の通りを良くしているので健身効果が得られる。

放松は、太極拳を練習する上で重要な「手段」です。
放松には、「精神提起」「精神放松」という効果があります。
放松することによって、力(劲)を発生させることができます。

練拳時に意識は緊張させない。
愉悦的な気持ち⇒身体をリラックスさせる効果がある⇒放松状態。

放松を「脱力、脱力、脱力~」と意識的に強制し続けると弛緩(脱力、萎)となってしまいます。
これは、太極拳が要求する「剛柔相済、外柔内剛」とは異なります⇒放松を理解していない。

「力を抜く(脱力する)=放松」を目的とした練習を積み重ねた人がいて、これ以上放松になると立ってもいられないし、打つこともできない~という状態にまでなったが、実際に相手に向かうと緊張して硬くなるということがあります。これは、放松が要求するものを正しく理解していないことが原因です。

放松は、太極拳練習の手段(必要な条件)であって目的ではありません。
放松という状態の中での練習によって「全身力の最大効果」を会得することが出来るのです。
「最終目的⇒周身之静和内外成為一家=全身放松によって、内外協調一致を導く」
by takeichi-3 | 2011-04-03 23:57 | 太極拳秘境 | Comments(1)