オリンピックイヤーだった去年に比べ、今年はこれといった大きなイベントが見あたらない中国ですが、国慶節60周年を記念して、10月6日~7日に鳥の巣で張芸謀演出による“图兰朵=トゥーランドット”が上演されます。
中国なのに、なぜ“トゥーランドット?”
元になった物語⇒『千一日物語』の「カラフ王子と中国の王女の物語」
主人公の「氷の心を持つ王女」の名前でした。
プッチーニの歌曲。荒川静香がトリノ五輪の時に使った“誰も寝てはならぬ”は有名。
最近では、“スーザン・ボイル”の出現で話題になっていたイギリスのオーディション番組の先輩“ポール・ポッツ”が歌っていましたが、、、
その内容は。。。
皇帝アルトゥン汗の娘トゥランドクトは、美貌と知性に恵まれているが、男性への嫌悪から、結婚を拒んでいる。 かつて、チベット王子との結婚話が持ち上がったとき、彼女は憔悴して病気で死にそうになった。 そのため「求婚するには、謎に答えなければならない。しかし正しく答えられなければ、宮殿の中庭で首をはねられる」という彼女の結婚の条件に皇帝は同意させられてしまった。 このような過酷な条件にもかかわらず、彼女に魅せられた多くの者が命を落とした。
ある日、タタール・ノガイ族の長だったティムルタシュ、彼の息子カラフが、幾多の苦難ののち、北京にやってくる。 ちょうど謎解きに失敗したサマルカンドの王子が処刑されるところであった。 この王子の家庭教師から、トゥランドクトの肖像を見せられると、不思議な動揺に襲われ、即座にすっかり魅せられてしまう。 そして彼女に求婚するために、謎解きに挑む。
第1の謎「世界中のすべての人の友達で、自分と同等の者に我慢できないもの」
第2の謎「子供たちを産んで、大きくなると、彼らをむさぼり食う母親」
第3の謎「表が白、裏が黒の色の葉をもっている木」
答えはそれぞれ、「太陽」(le soleil) 「海」(la mer) 「一年」(l'année)
カラフは3つの難題を見事に解決した。それにも関わらず、姫はカラフとの結婚に難色を示す。そこでカラフは自分の名前を夜明けまでに当ててみせれば、結婚を諦めようと申し出る。ただし、名前を解き明かせなかったら、カラフとの結婚を姫は承諾しなければならない。そこで冷酷な姫は自国の国民に対し、カラフの名を解き明かすまでは寝ることを禁ずるというお触れを出す。そして、もし誰も解き明かせなかったら、国民を皆殺しにすると言う。
カラフは自分の勝利とトゥーランドット姫への愛を確信して、役人の布告の言葉を繰り返す<誰も寝てはならぬ>。三人の大臣が現れ女や財宝で王子のご機嫌を取っては王子の名前を聞き出そうとしたり、北京の町から出て行くように懇願したり脅かしたりするがカラフは全く受け付けず、人々も其れに加わる。其処に一群の人々がティムールとリューを引き立てて来て、この二人は昨夜彼と話していたからその名前を知っている筈だ、とカラフの自由を奪ってからリューを拷問にかける。リューは現れた姫に向かって、自分だけが彼の名前を知っているが其れを明かすよりも胸に秘めている方が喜びだと言い、冷たい姫の心も今に解けるだろうと告げると、傍らの兵士の短剣を奪って自害してしまう<氷の様な姫君の心も>。ティムールは哀れなリューの遺体に取りすがり、人々はリューの死を悼む。姫は不思議な力に心を動かされる。人々が去り後に残されたカラフはトゥーランドット姫のヴェールを剥ぎ取る。姫は王子の非礼を厳しく責め、なおも固い態度を崩そうとしないが、カラフは情熱的に言い寄り姫を抱きしめて接吻する。姫の冷たい心も次第に和らいではじめて涙を流し、それでもカラフに勝利者として立ち去るように言うが、既に姫の心を征服したと確信した王子は、"私はダッタンの王子カラフである"と名乗り、姫に命を預ける。トゥーランドットは若者の名前がわかったと叫び、人々の待つ広場に向かう。
朝日が輝く広場に人々が集まっている。トゥーランドット姫は高い玉座の皇帝の前に進み出て、"異邦人の名前が分かった。その名は愛!"と叫ぶ。王子カラフはトゥーランドット姫めがけて階段を駆け上がり、姫と固く抱き合う。人々は歓呼の声を上げる。