ちょっと。。。≪詠春宗師：葉問≫③

ブルース・リーは、アメリカで生まれたが、少年時代は香港で過ごした。
小さい頃、身体が弱かった彼を丈夫にしようと父親は太極拳を教えた。以来、武術に魅入られ～１９５６年、１６歳の時に葉問に入門。

当時のブルースは、子役として既に有名になっていた。
武館を訪れた時の服装は、西洋スタイルにサングラス～髪は撫でつけられていた。
詠春門下となった経緯は、喧嘩で勝てなかったから～友人の張卓慶の紹介で葉問に弟子入りして、詠春拳を学んだ。

初めのうち、葉問は、この小さいな弟子に特別な関心を持たず、弟子の黄惇梁に指導をさせた。

ブルースは熱心だった～放課後になると、カバンを背負ったまま武館に休むことなくやってきた。本当に夢中で、街を歩くときにも練拳しながら歩いたので、通行人の目を惹いた。

ブルースの一生懸命さに気付いた葉問は、この弟子を可愛がり～詠春の要訣を教えるように～ブルースは、一気に詠春高手に～そして、後に截拳道を創る。

６年間門下生として過ごしたが、アメリカへ渡るのをきっかけに停止～まだ、全てを学んではいなかった。

１９７０年１１月にブルースが黄惇梁にあてた手紙がある。
書き初めには、「惇梁兄」～末尾には、英名のサイン。中には、アメリカでの生活の様子や拳の成果～詠春門への感謝の言葉が書かれていた。

１９６０年、葉問の妻張永成が仏山で病死。
二年後、二人の息子葉准と葉正が香港にやって来て～弟子たちからの諌言もあったし、葉問は、ようやくアヘンをやめることを決意。

１２年間離れて暮らしていたことに加え、息子たちの上海婆への不満～父子三人の関係はギクシャクしていた～この情況は、葉問がこの世を去るまで続いた。

上海婆は、１９６８年に一人の息子を残して死んだ。

晩年の葉問は、普通の人と同じように～茶楼でお茶を飲みながら弟子たちと話し、麻雀を打ち、コオロギを戦わせた～他の人と違っていた点は、練拳を堅持していたこと。
７０歳、葉問の功力は衰えてはいなかった。

当時、香港マフィアによる銃撃事件が多発していたが、葉問は街を巡って安全を守っていた～武器を持った者が通行人を脅したり、怪しい人影がちらついたりすると、即座に駆けつけて退治した。葉問が巡視していた地域は、香港で唯一安全な場所～香港政府から何度も表彰され、優秀市民の称号を与えられた。

晩年に～同門組織を確立して詠春を広めることを望んだ。
６０年代末、香港弥敦道に詠春体育会を設立。１９７４年、正式に登録。
晩年の弟子梁挺は、７０～８０年代に亘って欧米各国に詠春拳を広め知名度を上げた。

詠春拳は、どうして広く普及したのか。。。葉准によると、、、
留学することになった弟子たちは、出国前、葉問に尋ねた。
「以降、どのように練習を続けたらよいのか？手を合わせて練習出来る人がいない～」
葉問は、いつも、、、
「向こうに行ったら、功夫に興味のある同級生に教える～彼が上達するにつれて、教えている自分のレベルも上がってくる」と答えた。
こんな風に、詠春は瞬く間に世界に広まっていった。

これ以外に、詠春が世界に普及していった原因が、、、
詠春拳は、その格闘性と健体効果から徐々に人気が高まっていった～練習しているうちに自分で戦闘力の変化が感じられる～それが練習者を喜ばせた。葉問が弟子を指導する

香港に来て２２年の間、多くの優れた弟子を育てた。
最も有名なのはブルース・リー。
葉問がブルースを教え始めた時には、この子供が国際的なスーパースターになって、中国武術を世界に広めていくことになるとは思ってもいなかっただろう。

ブルース・リーの名が知れ渡るにつれて、詠春拳の名も高まっていった。
映画やテレビで自身の截拳道を話題にする時、「詠春拳を６年間学んだ～葉問の弟子」と語ったので、多くの外国人が詠春拳を知り～詠春を学びたがった。

葉准、葉正によると、、、
ブルース・リーの映画が流行っていた年代、詠春拳学習者は大幅に増えた。間接的ではあっても、ブルースが詠春に与えた影響は大きい。

映画葉問の上映時、宣伝文句は～「ブルース・リー恩師の伝記」
この言葉が、多くの観客を惹きつけ～映画は成功を収めた。
「詠春拳はブルース・リーを確固たるものとし、ブルース・リーは詠春拳を確固たるものとし～葉問を確固たるものとした」

香港映画。。。
「賛先生と找銭華」も詠春拳の映画～詠春の宣伝になった。
葉問の伝承者たちも製作に参加。
多くのスターたちが葉問の伝承者～王家衛、周星馳、梁朝偉、狄龍等。多くの人たちの努力により、詠春の種が世界中に蒔かれた。

葉准によると、、、
世界中で詠春拳を学ぶ人の数は２００万を超えた。

女性の自衛術だった詠春拳が、実戦技撃として数十年の間で急速に発展。仏山から世界の隅々まで広まり～評判の高い中国武術となったのは、奇跡と言わざるお得えない。

詠春拳の起源と発展は～严詠春が起こし、梁賛が広め、葉問が盛んにした。
葉問の詠春への貢献は、誰もが認めている。

１９７２年１２月１日、葉問は喉頭癌で逝去。
享年７３歳～後に、詠春拳の一代宗師と称されるようになる。

その死から８ケ月～ブルース・リーも死亡。