事業に失敗、手元に残ったお金は10万元足らず~
ホテルの一室で、友人にメッセージを残して自殺を図ろうとしている絶望男。
「スペシャルサービスはいかが?」という女性からの電話がかかり~断るが、、、
部屋を間違えて入ってきた特殊服務の女性。
お金を与えて追い出そうとするが、「仕事で来たんだし、すぐ帰る訳には~」と、、、
早く出て行けと言い続ける男、、、
「ねぇ。寅年生まれで~射手座でしょう?」
「どうして分かるんだ?」
「どうってことないわ。今月は、特に運が悪かったわね。印堂が黒ずんでいる。信じられないなら自分で確かめてみなさいよ。今月は天狼星が運航しているから、射手座と寅に悪い影響を与えているの。ついてないと、自殺の可能性もあるわ~結婚してる?」
たわいのない会話を続けているうちに、彼女の身の上話となり。。。
「母はいつも算命を気にしていていたけど、自分が十年も寝たきりになるのは分からなかった。それに、本当に運命が分かるなら父とは結婚しなかったはず。」
「お父さんは?」
「小学校に上がる頃に死んだわ」
「じゃ、一人ぼっちなのか?」
「弟がいるわ」
「君が養っているの?」
「私が養わなかったら?あんたが面倒を見てくれるっていうの?あんたみたいに恵まれた環境に生まれなかったし~お父さんが死んで、お母さんが寝たきりになって~早朝から色んな雑仕事をこなして、それからご飯を作って~弟が行きたくないって言っても、将来、惨めな暮らしをさせない為に学校に行かせたわ。幸いなことに、私、顔が良かったから~もう。。。こんなこと話したくないわ。以前、他の人に話したら、嘘つきだって~お金を借りたいわけでも、結婚したいわけでもないのに、どうして騙す必要があるっていうの?まったく~」
「一人で、家族の為に苦労してきたんだね~」
「ちょっと、やめてよ。。。吐き気がする」
「僕にはよく分からないから~君はどうして」
雇い主からの連絡で、部屋を間違えたことが分かるが、、、
「もう仕事は止めるの。明日、故郷に帰って~チケットも買ったし」
「もう働かないの?稼がなくてもいいの?」
「十分稼いだわ。あんたがくれた分で10万ってとこ。以前から10万稼いだら帰るつもりだったの~何?10万じゃ少ないっていうの?何年も苦労して稼いだのよ」
「何年もかけて、たったの10万」
「たったの?軽く言ってくれるわね。弟の学費、母さんの病院代~去年、なんとか10万になりそうだったんだけど、友達の彼が喧嘩して相手を傷つけて、刑務所に入れられないようにするには示談金が必要だって泣くから出してあげたんだけど、それっきり行方不明~ついてないったら」
「それから」
「生きていくために、働かないわけにはいかないでしょう~あんた、何してる人?沙県小吃(食堂チェーン)って知ってる?帰ったら、お店を開こうかなと思っているの。10万あれば充分でしょ?」
「ん~、うまく資金を動かせば、二、三軒経営できるかもしれないな」
「二、三軒なんて~過労死しちゃう。一軒で十分。一日に数百元稼げればいいの。資金に余裕もあるし。お母さんを旅行にも連れて行ってあげたいし~弟は高校を卒業したら出稼ぎに出るし~そしたら、彼氏を見つけて~純情そうにしてれば、イケるでしょ?キツかったけど、やり遂げたわ。西に経本を取りに行ったお坊さんみたいに、苦労の成果を受け取ったのよ(監督の黄渤、周星馳の新西遊記で孫悟空を演じた)」
「そうだね。きみは本当に前向きに生きている」
「前向きにならなくちゃ、凍え死ぬのも飢え死にするのもゴメンだわ。あんたたち金持ちも、も少し前向きになったらいいのに。前にね、私が部屋に入った途端に電話をし始めた客がいて~資金がどうのこうとか、二時間、私には目もくれず~お金を渡して、帰れって~財布を見たら、お金とカードで膨らんでいた~あんなにお金を持ってるのに、まだ悩みがあるなんて~私にあれだけのお金があったら悩みなんてなくなるし、美味しいものを食べて、ベッドの上でお金を数えて~幸せ、、、じゃ、荷物もまとめなきゃいけないし、帰るわね」
「ん。。。ありがとう」
「ありがとうって、、、何もしてないのに~もっと前に、あんたみないなイイ人に会えてたら、最高だったわ」
※沙県小吃⇒
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