太極拳の放松(柔緩=身法による身体の調整により生じる)が、各種武術をはじめとした色々なスポーツとも共通する部分が多々あって面白いと思えるようになっている今日この頃。
★力を抜く~などに関連する情報を集めてみました。
体の力が抜けていた方がいい理由は、抜けていることによって、体全体の力が引き出せるようになります。例えばいままでは荷物を持ち上げるときに腰に負担が集中していたのが体全体に分散され重い荷物も結構楽に持てるようになります。さらに腰痛や腱鞘炎などの予防にもなります。野球でいえば、早く投げようと力むと腕に負担が集中します。この時に体全体の力が適度に抜けていると足腰の回転が生まれその力が流れるように腕に伝わることで、フィジカル(腕の重さ)のパワーを上手くボールに乗せることができます。すると肩や肘の故障の予防にもなります。
体の構造って割とシンプルです。人は筋肉を鍛える人は多いですが、力を抜くことが非常に大事です。人間、「力を抜く」ことを身につければスポーツは上手くなります。力を抜くことで全ての関節が使えるようになってくる。力を抜くと、関節が緩んで体が動きやすくなります。
あらゆるスポーツで運動技術を高めるためには「体の使い方」を学ぶ必要があります。姿勢の整え方、無駄な筋肉の力の抜き方、運動中の筋肉の働かせ方など、今まで運動していたときの筋肉の働かせ方を変えるのです。すると、今までより無駄な力がなく動作を行えるようになります。武道の観点でお話すると、二つの体の部位の力みを取り去るだけで、あらゆる動作の運動技術向上のカギを使むことができます。それは、「肩と腕の力みを取る」ことです。
武道の世界では、剣や弓を取り扱うときに、肩が上がるようには動作を行いません。この考え方をスポーツに取り入れることで、肩の筋肉の力みを取ることを可能とします。さらに、肩、腕の力みを取り去ることは、さまざまなスポーツ技術向上につながることも分かっています。
力強い突きや蹴りを出そうと思ったら、グッと力を入れたくなると思いますが、空手の有段者は違います。もちろん技が決まる一瞬だけは力を入れますが、力強い技を出すためには力を抜く必要があります。重いものを持つときや、立ち上がる時、ペットボトルのキャップを開けるときなど日常生活で力を入れる場面はたくさんあります。力入れることは意識せずに出来るはずです。逆に、力を抜く場面は一体どれくらいあるのでしょうか?ありませんよね。力を抜くことは、とても難しいです。意識的にやらないと、力は抜けません。
体に力が入りすぎて、能力を発揮できないというときは、「力を抜こう」と考えるのではなく、姿勢を意識して、両肩を落とすようにしてみてください。そして呼吸を意識します。両肩を落として呼吸を意識することで、腕の力みも取れていることに気づくでしょう。これができるようになったら、「最小限の力を入れる」という考え方に切り替わるまで時間はかかりません。これで静止した状態ではあなたは簡単に脱力することができるようになります。では、実際に空手の組手や形の試合で力みを取り、脱力するためにはどんなことを意識すればいいのでしょうか?それは、手や足を動かすという意識ではなく、体の中心(胴体・体幹・背骨)から動かす意識を持つということです。これはなかなか説明するのが難しいのです。例えば、腕の筋肉を使わずに腕を動かすにはどうすればいいと思いますか?肩を落として、腕をだらっと下におろした状態で、背骨を意識して背骨を中心に体を左右にゆすってみてください。腕は前後にゆらゆらと動きますよね。腕の筋肉にはまったく力が入っていないのに。これは最も極端な例ですが、これが背骨から動かすという意識です。この感覚をつかむのはとても難しいので、まずは「力んでいるな」と思ったら顎を引き、肩を落とすということを意識してみてはどうでしょうか?
パフォーマンス向上や怪我の予防のために、筋力トレーニングは欠かせません。筋トレによって筋肉の量を多くすると、今より運動パフォーマンスは上がっていきます。ただ、筋肉を鍛えても、多くの人は実際のスポーツ動作でうまく活かしきれていません。そのために、筋肉を強化する以前に、そもそもの「筋肉の性質」を理解しておく必要があります。「今休んでいる筋肉」だけが次の動作に使える⇒筋トレで体を力強くしても、試合や練習でうまく発揮できないことがあります。そうした原因は「トレーニングで鍛えた筋肉をプレーにうまく組み合わせていないから」と説明されます。しかし、筋トレの成果を活かせていない根本的な原因として、筋肉の性質を知っていないことも挙げられます。あなたはどの状態の筋肉が最もスポーツに使えるかご存知でしょうか。この質問の答えとその理由を説明できないと、筋肉自身の基礎知識をわかっていないことになります。筋肉が最もスポーツに使える状態は「休んでいる状態」です。リラックスしているときや落ち着いているとき、筋肉は緩んでいます。この状態が最も筋肉が動ける状態であり、関節を動かしたり、固定したりできます。イメージしていただけるとわかりますが、筋トレをしたときの筋肉は太くなっているものの、硬くなっています。関節が動き、体を動かすためには筋肉を伸ばしたり縮ませたりする必要があります。このように硬くなった状態から、急に伸びたり縮んだりできるでしょうか?いま休んでいる筋肉だけが、次の動作に使える筋肉です。つまり、休んでいる筋肉の数が多く、力を抜いているほど、次の動きが行いやすくなります。そのため、脱力した姿勢こそ筋肉を最も活用できることを理解しなければいけません。
筋肉を活用するコツは力を抜くことであると学ぶ⇒ここで、簡単な実験をしましょう。その場で立って、方側の腕を前に出しましょう。その上から重いものを落としたり、他の人を呼んであなたの腕を上から押さえつけてもらったりします。まず、前に出した腕に思い切り力を入れましょう。腕や拳に力を入れて筋肉を固くします。そこに、物を押したり上から押してもらったりすることで圧力をかけましょう。押された瞬間に、あなたはさらに力を入れて「負けてたまるか」と思いこんで、その重さに耐えてください。すると、ほとんどの人は重みや圧力に負けて、腕は落ちてしまいます。これは、あなたが腕に力をいれた時点で使える筋肉がなくなってしまったからです。そのため、重さに負けてしまいます。
次に、前に出した腕に一切力をなくしてみましょう。両肩の力みを落とし、拳は軽く握るくらいにします。その上から先ほどと同様に腕へ圧力をかけます。あなたは、重いものや圧力が腕にかかった瞬間、一気に力を入れて押し返してください。すると、さっきと比べて、重さや圧力に耐えられることがわかります。腕は下に落ちず、同じ位置を保つことができます。このことから、圧力がかかった瞬間に働かせることができる筋肉がたくさんあったことがわかります。このように、筋肉は休んでいた状態のものしか次に動くことができません。つまり、固くなってしまった筋肉は、いくら太さがあっても動作には使えないのです。このため、スポーツの動作は無駄な力を入れず、リラックスした姿勢を取ることが大切です。
筋トレを行ってもスポーツのパフォーマンスが上がらない場合、体の各部にある無駄な力みを取り除きましょう。力を抜いて休んでいる筋肉を増やすことが、次の動作をスムーズに早く行うコツです。