北京で太極拳時。。。
“肩を沈める~”、宗維潔老師から、「肩、私には真似ができないような変な動きをしている」「経過動作の中で放松が必要だと思って、肩をリラックスさせてから動くようにしてるのですが」「肩は沈めるのであって、放松させてはいけないのね。放松すると腕の力まで抜けるから、自然に断劲してしまうの。」
★な、「沈肩墜肘」に関しても多くの書籍を訳しています~その幾つかを改めて。。。
上肢の三大関節と言えば、肩、肘、腕です。太極拳で放松をしようと思ったら、まず肩関節を放松させなければ、手、腕の放松は不可能です⇒節節串貫⇒腕、手を自在に松柔円滑に動かせる要は肩関節の松開にかかっています。
関節の松開は意識によってのみ可能になります。⇒日々の鍛錬によって習慣化することが可能です⇒手、腕は、柳の枝が風に揺れているかのように自在に動かせるようになります。沈肩墜肘は太極拳の要求の中でも重要な要素です。松肩という条件の下で沈肩は完成します。沈肩墜肘は含胸拔背の完成を助けます。肩が上がっている状態では、どんなに頑張っても含胸拔背とはなれず、気沈丹田の障害となります⇒含胸拔背が完成して初めて気沈丹田となることができます。
太極拳を学ぶ人が「沈肩墜肘」を論じる時、「松肩墜肘」と表現する人もいます。これは同じ要求を指しています。
腕手が運動(攻撃)しようとする時、必ず関節の動き(回転)を伴います。もし、肩を硬くいからせていると肩甲骨は開閉せず、腕は伸びやかな動き(展開)ができなくなります⇒勢いがなくなる。松肩と亸肩(ただ垂れ下げている状態)とは異なります。肩関節を下に開くようにして垂らしていくのが正しい松肩。この開きにより意識は滞ることなく末端にまで行き届き、柳の枝のようにしなやかな動きをすることができるようになります。
肩関節を引き伸ばすことによって筋肉を弛める⇒松肩は、墜肩(外から見た状態)によってもたらされる身体内部の変化。肩松開は、健康にも良い影響を与えます。筋肉がリラックス(軟らかくなる)するので、リンパや血液が体の末端まで滞ることなく行き渡る⇒健康になる⇒功力を高める⇒“行気如九曲回腸、無微不至⇒全身くまなく、行き渡らないところは微塵もない”
となります。
松肩沈肘は肩関節が松沈となっているだけではなく、鎖骨も微かに沈ませている。肘関節は始終、的度な湾曲を保ちながら沈垂となる。肘関節は力点に対する支点としての役割がある。外三合でも肘の合は重要視されている。垂肘の前提において沈肩も完成する。
沈肩垂肘によって相手からの胸部攻撃を防ぎ易くする⇒沈肩により腋に隙間が生じるので、肘は胸肋につかず離れずという理想的な形になる⇒くっついてしまうと自由に動けない、離れ過ぎると身を守れない。
★“三垂”=気垂、肩垂、肘垂。
気垂:気が丹田に落ちて行く⇒身体は山のように穏やかで安定する。
肩垂:腕には松劲が満ちる⇒全身を放松に導く⇒動作を重沈なものにする⇒腕を長く使える⇒肺を広げるので、息があがらなくなる。
肘垂:上腕二頭筋を捻る⇒それによって、静脈と毛細血管を広げ血流をよくする⇒血液循環のスピードが速くなる⇒循環器系統の改善。
肩関節は手三陽経、手陽明(大腸)経、手太陽(小腸)経、手少陽(三焦)経、及手三陰経、手太陽(肺)経、手少陰(心)経、手厥陰(心包)経に関っているので~肩が上がる=強張る⇒気血の通りが悪くなる。
沈肩垂肘でないと、背中、腰、脊椎が強張るので気の通りが悪くなるだけでなく指先への劲の流れを悪くする。肺、心臓などが上へと引き上げられる⇒緊張。