北京体育大学で知り合った武冬老師の知り合いだという方からメールがあって、老師による日本語版の武術書籍を出版したという情報が…
武冬老師、宗維潔老師と比べると理論派的~な印象をもっていますが…中国中央テレビが制作した「蔵着的武林」シリーズに登場しています。
2016年、武冬老師が日体大に滞在している時、顔見知りのベテラン数人を集めて、太極八法(掤、捋、挤、按、采、挒、肘、靠)の功力&劲力を分かり易く訓練できる功法≪圓活功≫をメインとした講習会を行っていましたが…
武術功法講習時に老師が語っていたのは、「第一段階(学習)⇒形(套路)を学ぶ。第二段階(練習)⇒功力(筋力)や劲力を求める」
站桩(タントウ功)も、ただ立っているだけでは筋トレ効果しか得られないが、力の発生源を意識~通過点を意識~作用点を意識~させることで、太極拳の特徴でもある整体運動を実現してしていくことが可能になる。
その時に学習した壇中穴~養生&実用(推手)、二つの練習を可能とした套路を学びました。養生動作を覚えて~それを利用した実用を練習している時、相手を引き込む時には「膻中」を使って~と言われたり…
★腹横筋効果を高めるドローイン(横隔膜呼吸を利用した筋トレ)で意識する場所も壇中の下部~鳩尾辺りでしょうか、ポジションが正しくなると、手腕の棚劲精度が高くなり簡単に相手を引き込んでくることが出来ます⇒立身中正(中身の伴った)が一定レベルに達していないと実現しません~ちなみに、ドローインが正しく行われると~「膻中穴微内含、周身合中寓開」「膻中穴微内含、心気与横隔膜同歩沈降」「膻中穴微内含、劲催至双手加棚劲」の全てが出現します。
『膻中=壇中』:含胸は、膻中穴を中心として~両肩が意識的に相合して作られる⇒背中を丸めて作る~は間違い。吸気は、膻中を経て(任脉)丹田へと入る。
膻中穴をマッサージ:膻中穴は、任脈に属す第17番目の経穴。元児、上気海ともいう。膻中穴のポジション⇒胸の中心、左右の肺の間、心の外、胃の上⇒人体で重要な臓器が周辺にある⇒肺(呼吸の気)、脾胃(胃の気)、腎中の精気~三つの気が此処に至る⇒人体の宗気が集まる場所。心包経の募穴(経気の集まるところ)、気会(気の病に効く)。※胸部痛、腹部痛、心悸、呼吸困难、咳、精神的疲労を緩和する。
≪宗気≫:宗気には、物質を巡らしたり推進する働きがある。脾胃によって得られた栄養物質(水穀の精微)と、呼吸によって得られた空気(清気)が合わさり、胸の中に集まったもので、心臓を力強く動かして血流を促したり、経脈に気血を巡らすなどの推動に働く気。肺の呼吸作用も宗気によります⇒集積された宗気は全身を巡り~各所に応じた気へと変化。
武冬老師と雑談していた時、地壇公園の王世祥老師の話題になって~武冬老師も同級生だった劉偉老師に誘われて練習に行ったことがあると。でも、ひたすら三体式をやらされるだけだったので、一度で懲りたとか…
「私は、初めて超伝統的な習い方が出来て良かったです。毎日、毎日、劈・劈・劈~同じ動作を繰り返したり」「もっと要領よく学習できる方法があると思うけど」「ん~練習を重ねていたら、ある日突然、自分の内側から劈拳は劈(斧)だっていう感覚が生じてきて~初めて練功の価値を実感できたし、70年の長きに亘って練功を続けてきた師匠への畏敬の念が自然に湧いてきたし~」な、やり取りがありました。