刀削麺は山西人が常食にしている麺です。
刀で削って作る麺⇒これがそのまま名前となっています。
その形状。中心は厚く端は薄く柳の葉のような形をしています。滑らかに口に入り、噛めば噛むほど味わいが深くなります。北京の打卤麺、山東省の伊府麺、河南省の鱼焙麺、四川の担担麺と並んで五大麺と呼ばれています。
既に、数百年の歴史があるという麺です。
言い伝えによると、蒙古から鞑靼人が中原に攻め込んできて元朝を建立した時、漢族の造反を防ぐ為に、全ての家々から金属製品を没収。料理庖丁に関しては、10軒に1個だけを与えて、お互いが融通しあいながら使うという規定の下、使用後は鞑靼人が保管していました。
或る日。一人の老婆が麺を作ろうと、夫に庖丁を借りに行かせました。けれど、庖丁は既に他の人が持ち去ったあと。ようやく庖丁が手に入りそうになったのは鞑靼人の門が閉まろうかという時間。仕方なく手ぶらで帰ろうとした帰り道、足が薄い鉄板を蹴りました。何気なくそれを懐に入れて家に帰ると、鍋にはお湯がタップリ用意されていて、家人は麺生地を切って食べようと待ち構えていました。でも、庖丁はありません。頭を抱えた夫は、懐に入れた薄い鉄板のことを思い出しました。
「これを使って切ろう!」と、差し出だされた鉄板を見た老婆は、「こんなに薄くて柔らかいもので、どうやって切れっていうの。」と口を尖らせながら言い返しました。
気分を害した夫は、「切れないというなら、削ればいいだろう!」と、、、
で、この言葉に閃いた老婆が、木板の上に麺生地をのせて左手に抱え、右手で鉄板を操って鍋の横で麺を削りました。出来上がった麺を食べて、皆、その余りの美味しさにビックリ。
以降、麺を切って作ることがなくなりました。
そして、この話しが近所の人へ伝わり、広まっていったのです。
今日、そんな刀削麺を東京で食べました。(o^0^o)Ψ